【2026年版】全銀フォーマット完全ガイド|仕様・作り方・エラー対処を徹底解説
【2026年版】全銀フォーマット完全ガイド|仕様・作り方・エラー対処を徹底解説
総合振込・給与振込・賞与振込で使用する**全銀フォーマット(全銀協規定フォーマット)**は、全国銀行協会が定めた金融機関共通の固定長テキスト形式です。仕様を正しく理解せずに作成すると、銀行のシステムに弾かれて振込ができず、月末の支払いが間に合わない…という事態になります。
本記事では、2024年12月時点の最新仕様に基づいて、全銀フォーマットの4つのレコード構造、120バイト固定長ルール、必須項目、よくあるエラーと対処法を、経理担当者・システム担当者の両方に向けて整理しました。
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全銀フォーマットとは何か
全銀フォーマットの正式名称は「全銀協制定レコード・フォーマット」です。全国銀行協会(全銀協)が制定し、銀行間のデータ伝送(全銀ネット)で使用される標準仕様で、メガバンクから地方銀行・信用金庫・ネット銀行まで、ほぼすべての国内金融機関がこの形式を受け付けます。
具体的には、以下の業務で使用されます。
- 総合振込(業務種別コード
21):取引先・仕入先への支払い - 給与振込(業務種別コード
11または71):従業員給与の振込 - 賞与振込(業務種別コード
12または72):ボーナス支給 - 預金口座振替、口座振込通知 など
ファイルの中身は単純なテキスト(.txtや拡張子なし)で、メモ帳でも開けます。ただし、1行120バイトの固定長で、文字コードや桁数が1バイトでもずれると銀行側で受付エラーになるため、手作業で作るのは現実的ではありません。
ファイル全体の構造:4種類のレコード
全銀フォーマットのファイルは、4種類のレコードを順番に並べた構造になっています。
| 順序 | レコード種別 | データ区分 | 役割 | 出現回数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ヘッダ・レコード | 1 |
ファイル全体の先頭情報(委託者名・振込指定日など) | 1回 |
| 2 | データ・レコード | 2 |
振込先1件ごとの明細(口座番号・受取人名・金額) | 振込件数分 |
| 3 | トレーラ・レコード | 8 |
合計件数・合計金額の集計 | 1回 |
| 4 | エンド・レコード | 9 |
ファイル終端マーカー | 1回 |
つまり、ヘッダ1件 + データn件 + トレーラ1件 + エンド1件 = 合計 n+3 行になります。10件の振込なら13行です。
各レコードはすべて120バイト固定長で、行頭の1文字目が「データ区分」を示します。
基本ルール:これを守らないとエラーになる
全銀フォーマットには、銀行側システムが厳格にチェックする以下の基本ルールがあります。
1. レコード長は120バイト固定 1行が120バイトちょうどでなければなりません。119バイトでも121バイトでもエラーです。半角文字は1バイト、全角文字は使用不可(後述)。
2. 文字コードはJIS(半角のみ) 使用できるのは半角数字、半角英大文字、半角カタカナ、一部記号のみです。全角ひらがな・全角漢字・全角カタカナ・小文字英字は使用できません。「カ)山田」のような表記は「カ)ヤマダ」と半角に変換します。
3. データ型ごとの詰め方が決まっている
- N型(数字):右詰め、空き桁は
0で埋める(例:金額1万円→0000010000) - C型(文字):左詰め、空き桁は半角スペースで埋める(例:「ヤマダ」を40桁に→
ヤマダ+ 36桁スペース)
4. 改行コードは任意 CR+LF(0x0D 0x0A)、CR(0x0D)、LF(0x0A)のいずれでも受付可能です。Windowsで作成すれば自動的にCR+LFになります。
5. シングルファイルのみ 1つのファイルに複数の振込指定日を混在させることはできません。日付ごとにファイルを分けて作成します。
ヘッダ・レコードの中身(120バイト・総合振込)
ヘッダ・レコードは、ファイル先頭にあり、振込全体の情報を持ちます。総合振込(業務種別21)の項目は以下の通りです。
| 項番 | 項目名 | 型 | 桁数 | 内容 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | データ区分 | N | 1 | 1(ヘッダ・レコード固定) |
| 2 | 種別コード | N | 2 | 21(総合振込) |
| 3 | コード区分 | N | 1 | 0(JIS)または 1(EBCDIC)。通常は 0 |
| 4 | 委託者コード | N | 10 | 銀行から発番された企業ごとの番号 |
| 5 | 委託者名 | C | 40 | 振込元の会社名(半角カナ・40桁) |
| 6 | 振込指定日 | N | 4 | MMDD形式(例:6月25日→0625) |
| 7 | 仕向金融機関番号 | N | 4 | 振込元の銀行コード |
| 8 | 仕向金融機関名 | C | 15 | 振込元の銀行名(半角カナ) |
| 9 | 仕向支店番号 | N | 3 | 振込元の支店コード |
| 10 | 仕向支店名 | C | 15 | 振込元の支店名(半角カナ) |
| 11 | 預金種目(依頼人) | N | 1 | 1普通 / 2当座 / 4貯蓄 / 9その他 |
| 12 | 口座番号(依頼人) | N | 7 | 依頼人の口座番号 |
| 13 | ダミー | C | 17 | 半角スペース17桁で埋める |
合計:1+2+1+10+40+4+4+15+3+15+1+7+17 = 120バイト。
データ・レコードの中身(120バイト・1振込先につき1行)
データ・レコードは、振込先1件ごとに1行作成します。10件振込なら10行のデータ・レコードが並びます。
| 項番 | 項目名 | 型 | 桁数 | 内容 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | データ区分 | N | 1 | 2(データ・レコード固定) |
| 2 | 被仕向金融機関番号 | N | 4 | 受取人の銀行コード |
| 3 | 被仕向金融機関名 | C | 15 | 受取人の銀行名(半角カナ) |
| 4 | 被仕向支店番号 | N | 3 | 受取人の支店コード |
| 5 | 被仕向支店名 | C | 15 | 受取人の支店名(半角カナ) |
| 6 | 手形交換所番号 | N | 4 | 通常は 0000 |
| 7 | 預金種目 | N | 1 | 1普通 / 2当座 / 4貯蓄 |
| 8 | 口座番号 | N | 7 | 受取人の口座番号 |
| 9 | 受取人名 | C | 30 | 受取人氏名(半角カナ・30桁) |
| 10 | 振込金額 | N | 10 | 円単位(例:50,000円→0000050000) |
| 11 | 新規コード | N | 1 | 1新規 / 2変更 / 0その他 |
| 12 | 顧客コード1 | C | 10 | 任意(社内管理用) |
| 13 | 顧客コード2 | C | 10 | 任意(社内管理用) |
| 14 | 振込区分 | N | 1 | 7電信扱 / 8文書扱(通常 7) |
| 15 | ダミー | C | 8 | 半角スペース8桁 |
合計:120バイト。
トレーラ・レコードとエンド・レコード
ファイル末尾の集計と終端を担当します。
トレーラ・レコード(120バイト)
| 項番 | 項目名 | 型 | 桁数 | 内容 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | データ区分 | N | 1 | 8(トレーラ・レコード固定) |
| 2 | 合計件数 | N | 6 | データ・レコードの行数 |
| 3 | 合計金額 | N | 12 | 全振込金額の合計(円) |
| 4 | ダミー | C | 101 | スペースで埋める |
エンド・レコード(120バイト)
| 項番 | 項目名 | 型 | 桁数 | 内容 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | データ区分 | N | 1 | 9(エンド・レコード固定) |
| 2 | ダミー | C | 119 | スペースで埋める |
合計件数と合計金額が、データ・レコードの実際の値と1円・1件でも合わないと、銀行側で受付エラーになります。
受取人名で使える文字・使えない文字
全銀フォーマットの最大の落とし穴は、受取人名(カタカナ30桁)で使える文字が極めて限定されている点です。
使える文字
- 半角カタカナ(ア〜ン)
- 半角英大文字(A〜Z)
- 半角数字(0〜9)
- 半角スペース
- 限定された記号:
( ) - ヲ ァ ィ ゥ ェ ォ ャ ュ ョ ッ ー 。 「 」 、 ・ ゙ ゚など
使えない文字(よくあるエラー原因)
- 全角文字すべて(漢字・全角カナ・全角数字・全角スペース)
- 半角英小文字(a〜z)
- 一部の記号(
/*&#@'"など) - 機種依存文字(①②③、㈱、℡ など)
「株式会社山田商事」を全銀形式に変換すると カ)ヤマダシヨウジ のようになります。「(株)」は (カ) または カ) と表記し、濁点・半濁点は1文字としてカウントされる点に注意してください。
よくあるエラーと対処法
実務でよく発生するエラーは以下の5パターンです。
❶「レコード長エラー」「桁数不正」 原因:1行が120バイトになっていない。受取人名のスペース埋めを忘れているケースが多い。 対処:テキストエディタで各行の文字数を確認。VS Codeの「右下の文字数表示」で行ごとにチェックする。
❷「文字コードエラー」「使用不可文字あり」 原因:全角文字や英小文字、機種依存文字が混ざっている。 対処:受取人名を半角カナに変換しなおす。Excel管理の場合は全角・半角変換ツールで一括変換。
❸「合計件数不一致」「合計金額不一致」 原因:トレーラ・レコードの集計値が手計算ミス。 対処:データ・レコードの行数・金額をSUM関数で再計算してから入力。
❹「振込指定日エラー」 原因:銀行休業日(土日祝・年末年始)を指定している、または当日/前営業日に作成→送信が間に合っていない。 対処:振込指定日は3営業日後以降に設定するのが安全。
❺「委託者コードが正しくない」 原因:銀行から発番された10桁コードが間違っている、または契約していない業務種別を指定している。 対処:契約書類または銀行のWebバンキング画面で委託者コードを再確認。給与振込(11)は別途契約が必要なケースが多い。
対応金融機関:ほぼすべての国内銀行で受付可能
全銀フォーマットは全国銀行協会の標準仕様のため、以下のような国内のほぼすべての金融機関で利用できます。
- メガバンク:三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行
- ネット銀行:楽天銀行、PayPay銀行、住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、GMOあおぞらネット銀行、UI銀行
- ゆうちょ銀行
- 地方銀行・第二地銀:横浜銀行、千葉銀行、福岡銀行、北海道銀行、静岡銀行 など全国の地銀
- 信用金庫・信用組合:全国の信金・信組
- 農協(JA)・労働金庫
ただし、銀行ごとに独自の追加項目(ダミー領域の使用ルール)や、レコード長を120ではなく122バイト(CR+LF込み)として扱うシステムもあります。実際のフォーマットは取引銀行のEBサービス仕様書を確認してください。
全銀フォーマットを簡単に作る方法
手作業で1行120バイト・JIS文字コード・桁ぴったり合わせて作るのは現実的ではありません。実務では以下のいずれかの方法で作成します。
❶ 会計ソフトの全銀出力機能 freee、マネーフォワード、弥生会計などの会計ソフトには、振込データを全銀形式で出力する機能があります。月次の支払い処理が会計ソフトに集約されている場合は最も楽です。
❷ 銀行のEBサービスで直接入力 振込件数が少ない(数件程度)なら、銀行のWebバンキングで1件ずつ手入力するのが早い場合もあります。
❸ Excel/CSVから変換ツールで生成(無料・登録不要) 振込先がExcelで管理されている場合、全銀フォーマット変換ツールを使うと、CSVをアップロードするだけで120バイト固定長の全銀ファイルを自動生成できます。受取人名の半角変換、桁数調整、合計件数・金額の自動計算もすべて行われます。インストール不要・登録不要・完全無料で、ファイルはサーバーに送信されずブラウザ内で処理されるため、機密性の高い給与情報も安心して扱えます。
まとめ
全銀フォーマットは、4種類の120バイト固定長レコードを順番に並べたシンプルな構造ですが、1バイトのズレや使用不可文字の混入で容易にエラーになる厳格な仕様です。
- レコードはヘッダ → データ × n → トレーラ → エンドの順
- 全レコード120バイト固定、半角文字のみ
- 受取人名は半角カタカナ・英大文字・数字のみ
- トレーラの合計件数・合計金額は1円単位で一致させる
仕様の理解は重要ですが、実務では会計ソフトや変換ツールを活用して自動生成するのが現実的かつ安全です。月末の支払い処理で慌てないよう、初回テストは振込指定日の1週間前までに済ませておくことをおすすめします。
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