
高額介護サービス費の完全ガイド【令和8年度版】6段階所得区分・計算方法・年間合算制度・申請手順まで
高額介護サービス費の完全ガイド【令和8年度版】6段階所得区分・計算方法・年間合算制度・申請手順まで
介護家族にとって、月々の介護サービス費は大きな負担です。要介護4・5の親を在宅で介護する場合、自己負担額が 月額5万円〜10万円 に達することは珍しくありません。しかし、所得に応じて月額上限が設けられており、超えた分は申請すれば全額還付 されます。これが「高額介護サービス費」です。
さらに、毎年8月1日〜翌年7月31日の1年間で、医療費と介護費を合算した自己負担額にも上限があり、超えた分が還付される 高額医療・高額介護合算療養費制度 もあります。
本記事は令和8年度(2026年)現在の高額介護サービス費を、令和3年8月改正以降の6段階所得区分・月額/年間 両制度・個人/世帯計算・対象外項目・申請手順 まで完全網羅します。競合記事ではあまり扱われない 「複数人世帯の按分計算」「医療費控除との連動」「特定入所者介護サービス費との関係」「75歳以上 vs 70歳未満の取り扱いの違い」 も含め、実務に直結する解説をお届けします。
⚠️ 重要: 本記事は令和8年(2026年)5月現在の制度に基づきます。最新情報は厚生労働省・お住まいの市区町村窓口でご確認ください。
目次
- 高額介護サービス費とは
- 6段階所得区分(令和3年8月改正以降・令和8年度継続)
- 個人上限 vs 世帯上限
- 月額の計算式
- 対象外となる費用
- 高額医療・高額介護合算療養費制度(年間)
- 75歳以上・70歳未満の違い
- 申請方法と期限
- 特定入所者介護サービス費との関係
- 医療費控除との連動
- 生活保護受給者の取り扱い
- 計算実例 4ケース
- よくある申請ミス
- FAQ
- まとめ
1. 高額介護サービス費とは
高額介護サービス費は、介護保険サービスを利用した月の自己負担額が、所得に応じた上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される 制度です。介護保険法第51条に根拠を持ち、介護保険制度のセーフティネットのひとつです。
制度の目的
介護保険の自己負担(1〜3割)は、利用するサービスの量と種類によっては月額で数万円から十数万円に達します。特に特別養護老人ホームや老健施設の入居者、在宅で複数のサービスを組み合わせて利用している方は負担が大きくなります。高額介護サービス費は、こうした経済的負担を所得に応じて軽減することで、必要な介護サービスを手控えさせないための仕組みです。
3つの重要な誤解
誤解①「窓口での支払いが減る」
多くの方が誤解するのが「窓口で安くなる」というイメージです。実際には、いったん 全額(1〜3割の自己負担分)を窓口で支払い、後日 自治体に申請して払い戻し を受ける仕組みです。一部の自治体では受領委任払いの仕組みがありますが、基本は後払い還付です。
誤解②「介護サービス費すべてが対象」
介護保険証で利用できるサービス費用の自己負担部分が対象ですが、食費・居住費・福祉用具購入費・住宅改修費・日常生活費は対象外 です。これらは別制度で対応されています(詳細はSection 5)。
誤解③「自動的に振り込まれる」
初回は申請が必須 です。自治体から「支給申請書」が届いた後、口座を登録して申請する必要があります。一度申請して口座が登録されれば、2回目以降は自動振込になります。
2. 6段階所得区分(令和3年8月改正以降・令和8年度継続)
令和3年8月の制度改正で、高所得者の負担限度額が細分化されました。令和8年5月時点でこの区分は継続しています。
| 区分 | 対象者 | 個人上限/月 | 世帯上限/月 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 生活保護受給者 | ¥15,000 | ¥15,000 |
| 第2段階 | 住民税非課税(年金80万以下) | ¥15,000 | ¥24,600 |
| 第3段階 | 住民税非課税(年金80万超) | — | ¥24,600 |
| 第4段階① | 一般課税世帯(現役並み未満) | — | ¥44,400 |
| 第4段階② | 課税所得380万円以上 | — | ¥93,000 |
| 第4段階③ | 課税所得690万円以上 | — | ¥140,100 |
令和3年8月改正の経緯
改正前は、課税世帯は所得に関わらず一律¥44,400でした。令和3年8月改正で、課税所得380万円以上・690万円以上の2段階が新設されました。介護保険制度の持続可能性を確保するため、高所得者に相応の負担を求める措置です。
自分の区分の調べ方
区分が分からない場合は以下の方法で確認できます。
- 介護保険負担割合証(毎年7月頃に市区町村から送付)で1割・2割・3割を確認
- 課税証明書(市区町村の役場)で課税所得額を確認
- 年金振込通知書で前年の年金受取額を確認
- 不明な場合は 市区町村の介護保険担当窓口 に問い合わせると、自分の区分を教えてもらえます
3. 個人上限 vs 世帯上限
第1段階・第2段階のみ、個人上限と世帯上限の両方 が設定されています。ここが最も混乱しやすいポイントです。
「世帯」の定義
住民基本台帳上の同一世帯に、複数の介護サービス利用者がいる場合 に世帯合算の上限が適用されます。例えば、要介護4の父と要介護2の母が同じ住民票の世帯にいる場合、二人の自己負担額の合計に世帯上限が適用されます。
1人世帯での個人上限の適用
第2段階(住民税非課税・年金80万以下)の場合、個人上限¥15,000と世帯上限¥24,600があります。1人世帯では個人上限が実質的な上限として機能します。
- 月額自己負担¥20,000の場合:¥20,000 − ¥15,000 = ¥5,000還付(個人上限が低いため適用)
- 月額自己負担¥30,000の場合:¥30,000 − ¥15,000 = ¥15,000還付(個人上限適用)
複数人世帯での計算順序
世帯に複数の利用者がいる場合、世帯合計から世帯上限を引いた超過額を、各人の負担比率で按分します(詳細はSection 4)。
4. 月額の計算式
1人世帯の計算式
還付額 = max(0, 月額自己負担 − 上限額)
個人上限がある区分(第1・第2段階)では個人上限が適用されます。
実例(一般課税世帯):
- 月額自己負担:¥60,000
- 世帯上限:¥44,400
- 還付額:¥60,000 − ¥44,400 = ¥15,600
実例(課税所得380万以上):
- 月額自己負担:¥120,000
- 世帯上限:¥93,000
- 還付額:¥120,000 − ¥93,000 = ¥27,000
複数人世帯の按分計算
世帯還付額 = max(0, 世帯合計自己負担 − 世帯上限)
個人還付額 = 世帯還付額 × (個人負担額 ÷ 世帯合計)
実例(一般課税世帯・夫婦2人):
- 夫の自己負担:¥45,000
- 妻の自己負担:¥23,000
- 世帯合計:¥68,000
- 世帯上限:¥44,400
- 世帯還付:¥68,000 − ¥44,400 = ¥23,600
按分計算:
- 夫の還付:¥23,600 × (45,000 ÷ 68,000) ≒ ¥15,618
- 妻の還付:¥23,600 × (23,000 ÷ 68,000) ≒ ¥7,982
各人の口座に別々に振り込まれます。
月次の端数処理
按分計算での端数(小数点以下)は切り捨て処理されることが多いですが、自治体によって異なります。実際の支給額は概算と若干異なる場合があります。
5. 対象外となる費用
高額介護サービス費の計算に含められる費用と、含められない費用を正確に理解することが重要です。
対象になる費用(还付対象)
- 訪問介護・訪問看護・訪問リハビリの自己負担分
- 通所介護(デイサービス)・通所リハビリの自己負担分
- 短期入所(ショートステイ)の自己負担分のうち介護サービス部分
- 特養・老健・介護医療院の施設サービス費の自己負担分(介護費用部分のみ)
- グループホーム・小規模多機能等の地域密着型サービスの自己負担分
対象外の費用(4つのカテゴリー)
① 福祉用具購入費・住宅改修費の自己負担分
電動車椅子・特殊寝台・入浴補助用具などの福祉用具購入費(年間¥10万限度)や、手すり取付・段差解消などの住宅改修費(生涯¥20万限度)は、それぞれ別の給付制度が適用されるため、高額介護サービス費の計算には含まれません。
② 施設サービスの食費・居住費
特養・老健・ショートステイなどの食費と居住費は、介護保険法上「補足的費用」と位置づけられており対象外です。低所得者については別途「特定入所者介護サービス費(補足給付)」で軽減されます(Section 9参照)。
③ 日常生活費
理美容費・娯楽費・おむつ代・日用品費・差額ベッド代などは対象外です。施設入居中に施設から請求される「日常生活費」は全額自己負担です。
④ 支給限度額超過分の全額自己負担分
要介護度ごとに月額の区分支給限度額があります。この限度額を超えて使ったサービス分は10割全額自己負担となり、高額介護サービス費の対象外です。
6. 高額医療・高額介護合算療養費制度(年間)
高額介護サービス費が「月額」の制度なら、高額医療・高額介護合算療養費制度 は「年額」の制度です。
対象期間と条件
- 対象期間:毎年 8月1日〜翌年7月31日 の1年間
- 同一世帯に医療保険と介護保険の両方の自己負担がある(どちらかが0円の場合は対象外)
- 超過額が ¥500以上 であること(¥500未満は支給対象外)
75歳以上(後期高齢者医療制度)の年間限度額
| 区分 | 年間限度額 |
|---|---|
| 低所得Ⅰ(年金80万以下) | ¥190,000(介護利用者複数の場合¥310,000) |
| 低所得Ⅱ(住民税非課税) | ¥310,000 |
| 一般(Ⅰ・Ⅱ) | ¥560,000 |
| 現役並みⅠ(課税所得145万以上) | ¥670,000 |
| 現役並みⅡ(課税所得380万以上) | ¥1,410,000 |
| 現役並みⅢ(課税所得690万以上) | ¥2,120,000 |
計算実例
75歳の父(住民税非課税Ⅱ)・1人世帯
- 年間医療費自己負担:¥400,000
- 年間介護費自己負担:¥300,000
- 合算:¥700,000
- 年間上限:¥310,000
- 年間還付:¥700,000 − ¥310,000 = ¥390,000
申請手順(高額医療・高額介護合算)
- 介護保険担当窓口に「介護保険自己負担額証明書」の交付を申請する
- 医療保険者(後期高齢者医療広域連合または国保・職場健保)に「合算高額療養費申請書」と「自己負担額証明書」を提出
- 申請期限:基準日(7月31日)の翌日から 2年以内
見落としやすいポイント
- 医療保険と介護保険から比率に応じて按分支給(1か所にまとめて振り込まれるわけではない)
- 国民健康保険と後期高齢者医療制度は別世帯扱いになる場合がある(住民票が同一でも医療保険が異なれば合算できない)
- 既に高額療養費・高額介護サービス費で還付された分は差し引いて計算する
- 引越しや後期高齢者になったタイミングで申請漏れが起きやすい
7. 75歳以上・70歳未満の違い
75歳以上(後期高齢者医療制度)
75歳になると後期高齢者医療制度に移行します。
- 月額・年額ともに上記6区分の上限が適用
- 医療費と介護費の年間合算が可能
70〜74歳
国民健康保険または被用者保険(健康保険)に引き続き加入。
- 高額療養費の限度額は70〜74歳専用の区分
- 介護との年間合算は所得区分ごとの限度額(一般区分で¥56万)
70歳未満
- 医療費は¥21,000以上のもののみ 年間合算の対象(少額の領収書は合算できない)
- 合算年間限度額は所得別¥34万〜¥212万の幅がある
- 介護費は全額合算対象
8. 申請方法と期限
申請の流れ(初回)
- 月額自己負担が上限を超えた月から 3〜4ヶ月後、自治体から「高額介護(介護予防)サービス費 支給申請書」が郵送される
- 申請書に必要事項を記入し、振込口座情報を添付する
- 市区町村窓口に提出(郵送可の自治体も多い)
- 審査後、約 1〜2ヶ月で指定口座に振込
申請期限
介護サービスを 利用した月の翌月1日から2年以内 が申請期限です。期限を過ぎると時効で請求権が消滅します。自治体から申請書が届いたら速やかに申請してください。
2回目以降は自動振込
一度申請して口座情報が登録されると、以降は申請不要で自動的に振り込まれます。ただし、以下の場合は再申請が必要です。
- 転居して担当市区町村が変わった場合
- 振込口座を変更した場合
- 被保険者が亡くなり遺族が受け取る場合(相続人が申請)
必要書類
- 高額介護サービス費 支給申請書(自治体から郵送)
- 振込先口座が分かるもの(通帳の写し等)
- 本人確認書類(マイナンバーカード等)
- 代理人申請の場合:委任状・代理人の本人確認書類
9. 特定入所者介護サービス費との関係
施設の食費・居住費は高額介護サービス費の対象外ですが、低所得者向けに 特定入所者介護サービス費(補足給付) という別制度があります。
補足給付の対象サービス
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 短期入所生活介護・短期入所療養介護(ショートステイ)
- 介護医療院
補足給付の対象者要件
- 住民税非課税世帯であること
- 預貯金等の資産要件(単身¥1,000万以下、夫婦¥2,000万以下が目安)
- 配偶者が住民税課税者でないこと
高額介護サービス費との併用
両制度は併用可能です。同じ月に:
- 補足給付:食費・居住費の自己負担を軽減
- 高額介護サービス費:介護サービス費自体の超過分を還付
と、二重に恩恵を受けることができます。施設入居の家族がいる方は、市区町村窓口で補足給付の申請状況も確認することをお勧めします。
10. 医療費控除との連動
確定申告で医療費控除を申告する際、高額介護サービス費との調整が必要になります。
医療費控除の対象となる介護費用
- 特養の施設サービス費:自己負担の 2分の1
- 老健の施設サービス費:自己負担の全額
- 訪問看護・訪問リハビリ等:全額
- 訪問介護(身体介護):全額
- 通所介護(デイサービス):2分の1
重要:還付額は差し引く
⚠️ 高額介護サービス費で還付を受けた金額は、医療費控除の計算上 差し引いて計算 しなければなりません。
計算例:
- 年間介護費自己負担:¥800,000
- 高額介護サービス費での年間還付:¥150,000
- 医療費控除の計算対象:¥800,000 − ¥150,000 = ¥650,000
- (特養の場合はさらに2分の1)
確定申告書を作成する際は、支給決定通知書(自治体から届く書類)で年間の還付額を確認し、正確に差し引いてください。
11. 生活保護受給者の取り扱い
生活保護受給者は第1段階に分類され、月額上限は個人・世帯ともに¥15,000です。
ただし、生活保護受給者の介護サービス費は原則として 介護扶助 で賄われます。介護扶助による窓口負担が実質0円の場合、高額介護サービス費が直接現金として振り込まれることはありません。超過分は制度間の振替処理となります。
生活保護から自立後に介護保険の第1号被保険者(65歳以上)となった場合や、40〜64歳で特定疾病による要介護認定を受けた場合は、通常の高額介護サービス費の適用対象になります。
12. 計算実例 — 4ケーススタディ
Case 1:一般課税世帯・1人世帯
- 妻(78歳・要介護3)が在宅でデイサービス・訪問介護を利用
- 月額自己負担:¥58,000
- 所得区分:一般課税世帯 → 世帯上限¥44,400
- 還付額:¥58,000 − ¥44,400 = ¥13,600
Case 2:一般課税世帯・夫婦2人利用
- 夫(82歳・要介護2)月額:¥40,000
- 妻(80歳・要介護4)月額:¥55,000
- 世帯合計:¥95,000 → 世帯上限¥44,400
- 世帯還付:¥50,600
- 按分:夫¥50,600 × (40,000/95,000) ≒ ¥21,305、妻¥50,600 × (55,000/95,000) ≒ ¥29,295
Case 3:課税所得380万円以上・1人世帯
- 父(75歳・要介護5・特養入居)月額介護費自己負担:¥120,000
- 所得区分:課税所得380万円以上 → 世帯上限¥93,000
- 還付額:¥120,000 − ¥93,000 = ¥27,000
Case 4:高額医療・高額介護合算(年間)
- 75歳の父・住民税非課税Ⅱ・1人世帯
- 1年間(8/1〜翌7/31)の医療費自己負担:¥400,000
- 1年間の介護費自己負担:¥300,000
- 合算:¥700,000 → 年間上限¥310,000
- 年間還付:¥390,000
13. よくある申請ミス
ミス①:月額と年額を混同
高額介護サービス費(月額)と高額医療・高額介護合算(年額)は全くの別制度です。月額の申請書が届いても、年額の申請は別途する必要があります。
ミス②:食費・居住費を含めて申請
施設の食費や居住費を自己負担額に含めて申請すると、修正が必要になります。明細書で介護サービス費と食費・居住費を分けて確認しましょう。
ミス③:引越し後の再申請忘れ
転居すると担当市区町村が変わります。新しい自治体への再申請を忘れて、数ヶ月分を取り逃すケースがあります。引越し直後に新しい市区町村窓口に確認してください。
ミス④:期限切れ
申請書が届いてもそのままにしておくと2年の時効で失効します。申請書が届いたら速やかに手続きを完了させましょう。
ミス⑤:亡くなった後の申請忘れ
被保険者が亡くなった場合でも、相続人(配偶者・子等)が利用月の翌月から2年以内に申請すれば還付を受けられます。葬儀後の事務整理の際に介護保険担当窓口に連絡してください。
14. FAQ
Q1. 同一世帯に課税所得700万円の息子がいると、親の上限は引き上げられますか?
A1. いいえ。所得区分の判定は「介護サービスを受ける方本人(第1号被保険者)」の課税所得が基準です。同居している子の所得は影響しません。
Q2. 夫婦で課税所得が異なる場合、どちらの区分が適用されますか?
A2. 世帯に複数の第1号被保険者(65歳以上)がいる場合、最も高い課税所得の区分が世帯に適用されます。例えば夫が課税所得400万円、妻が課税所得50万円の場合、世帯全体で「課税所得380万円以上」の区分(上限¥93,000)が適用されます。
Q3. 還付までどのくらい時間がかかりますか?
A3. サービス利用月から通常3〜4ヶ月後に申請書が届き、申請後さらに1〜2ヶ月で振込となります。利用月から振込まで合計5〜6ヶ月かかることもあります。
Q4. 福祉用具を購入しましたが、高額介護サービス費の対象になりますか?
A4. なりません。福祉用具購入費・住宅改修費は別制度(年間¥10万・生涯¥20万の上限内での補助)の対象です。高額介護サービス費の計算には含めないでください。
Q5. 月の途中で施設に入所しました。食費・居住費はどう扱われますか?
A5. 食費・居住費は高額介護サービス費の対象外です。低所得者は「特定入所者介護サービス費(補足給付)」の申請をすることで月額費用を軽減できます。施設入所前に市区町村窓口で補足給付の申請をお勧めします。
Q6. 申請せずに2年経ったらどうなりますか?
A6. 時効で請求権が消滅します。自治体から申請書が届いたら早めに申請してください。やむを得ない事情(入院等)で期限を過ぎた場合は、市区町村に相談すると対応してもらえる場合もあります。
Q7. 高額医療・高額介護合算は自動的に通知が来ますか?
A7. 多くの自治体では、超過が見込まれる世帯に自動で通知を送付します。ただし、転居・後期高齢者移行・医療保険変更のタイミングで通知が漏れることがあります。不安な場合は8月1日時点で担当窓口に確認することをお勧めします。
Q8. 高額介護サービス費を受け取ると、医療費控除はどうなりますか?
A8. 還付を受けた金額は確定申告の医療費控除の計算から差し引く必要があります。支給決定通知書(自治体から届く書類)で年間の支給額を確認し、正確に差し引いてください。
15. まとめ
高額介護サービス費は、適切に申請すれば月数千円〜数万円の還付が得られる重要な制度です。本記事のポイントを整理します。
- 月額の還付制度:自己負担が所得区分別の上限を超えた分を還付
- 令和3年8月改正以降の6段階区分が令和8年度も継続
- 上限は生活保護の¥15,000から課税所得690万以上の¥140,100まで
- 1人世帯と複数人世帯で計算式が異なる(複数人は按分計算)
- 対象外:福祉用具・住宅改修・食費・居住費・日常生活費
- 高額医療・高額介護合算(年間)は別制度・別申請
- 75歳以上・70〜74歳・70歳未満で取り扱いに違いあり
- 申請期限は利用月の翌月から2年以内
- 2回目以降は自動振込
- 医療費控除との連動に注意(還付分を差し引く)
正確な還付額試算は、当サイトの 高額介護サービス費 計算機 で月額自己負担を入力するだけで即算出できます。
⚠️ 再掲: 本記事は令和8年(2026年)5月現在の制度に基づきます。最新情報は厚生労働省・市区町村窓口でご確認ください。
よくあるご質問
高額介護サービス費はいつ振り込まれますか?
通常、サービス利用月から3〜4ヶ月後に自治体から支給申請書が郵送されます。申請後さらに1〜2ヶ月で指定口座に振り込まれます。初回申請後は2回目以降が自動振込になります。申請期限は利用月の翌月から2年以内です。
食費・居住費は高額介護サービス費の対象になりますか?
なりません。施設の食費・居住費、福祉用具購入費、住宅改修費、日常生活費は対象外です。低所得者の施設食費・居住費については別途「特定入所者介護サービス費(補足給付)」という制度で軽減を受けられる場合があります。
複数人世帯の按分計算とはどういう意味ですか?
世帯全員の自己負担合計が世帯上限を超えた超過額(世帯還付額)を、各個人の負担割合に応じて比例配分することです。夫¥45,000・妻¥23,000(合計¥68,000)、世帯上限¥44,400なら世帯還付¥23,600を45:23の比で按分し、夫¥15,618・妻¥7,982がそれぞれの口座に振り込まれます。
高額医療・高額介護合算療養費制度とは何ですか?
毎年8月1日〜翌年7月31日の1年間の医療費と介護費の自己負担合計に年間限度額を設けた制度です。合計が限度額を超え、かつ超過額が¥500以上の場合に還付されます。高額介護サービス費(月額)とは別の申請が必要で、介護保険窓口での「自己負担額証明書」交付が最初のステップです。
申請の期限を過ぎたらどうなりますか?
介護サービス利用月の翌月1日から2年が経過すると時効により請求権が消滅します。自治体から申請書が届いたら速やかに手続きを行ってください。被保険者が亡くなった場合でも相続人が2年以内に申請できます。
高額介護サービス費を受け取ると確定申告の医療費控除はどうなりますか?
高額介護サービス費として還付された金額は、確定申告の医療費控除の計算から差し引く必要があります。年間の支給決定通知書で還付額を確認し、医療費控除の計算対象額から正確に差し引いてください。差し引かずに申告すると過大申告になります。
所得区分が分からない場合はどうすれば分かりますか?
介護保険負担割合証(毎年7月頃に市区町村から郵送)で自己負担割合(1〜3割)を確認し、詳細な所得区分は市区町村の介護保険担当窓口に問い合わせると教えてもらえます。課税証明書(役場で取得)でも課税所得額を確認できます。
令和3年8月改正とは何ですか?
令和3年8月以前は、課税世帯は所得に関わらず一律¥44,400の世帯上限でした。改正により、課税所得380万円以上は¥93,000、課税所得690万円以上は¥140,100と高所得層の負担限度額が引き上げられました。令和8年度も同じ区分が継続しています。