
介護報酬の計算方法をわかりやすく解説【令和6年改定+令和8年6月期中改定対応】
介護報酬とは何か
介護報酬とは、介護保険サービスを提供した事業所が、その対価として受け取る金額のことです。利用者は1〜3割を自己負担し、残りは介護保険(税金+保険料)から支払われます。
介護報酬は原則3年ごとに改定されます。直近の通常改定は 令和6年4月施行(令和6年度改定) で、次回の通常改定は令和9年度の予定です。なお、令和8年6月に「期中改定」が実施され、処遇改善加算が大幅に拡充されました(訪問介護で最大28.7%・通所介護で最大12.0%)。本記事の基本単位数・支給限度額は令和6年度改定のまま、加算率は令和8年6月の最新値で記載しています。
計算の基本式
介護報酬の計算式はシンプルです。
介護報酬 = 単位数 × 1単位の単価 × 自己負担割合
- 単位数: サービスごとに国が定めた数値(例: 訪問介護の身体介護30分以上1時間未満=387単位)
- 1単位の単価: 10〜11.40円(地域とサービス種別で変動)
- 自己負担割合: 1割・2割・3割のいずれか
たとえば、訪問介護(身体介護1時間)を東京都千代田区の事業所が提供した場合:
387単位 × 11.40円 × 0.1(1割) ≒ 441円
…が利用者の自己負担額になります。
1単位の単価 — 地域区分の仕組み
1単位の単価は、基本10円ですが、地域の人件費水準によって最大11.40円まで上乗せされます。これを 地域区分 と呼びます。
| 級地 | 上乗せ率 | 主な地域 |
|---|---|---|
| 1級地 | +20% | 東京都特別区(23区) |
| 2級地 | +16% | 横浜市・大阪市・名古屋市・川崎市 など |
| 3級地 | +15% | 千葉市・神戸市 など |
| 4級地 | +12% | さいたま市・京都市 など |
| 5級地 | +10% | 福岡市・札幌市 など |
| 6級地 | +6% | 中規模都市 |
| 7級地 | +3% | 地方都市 |
| その他 | +0% | 地方部 |
さらに、サービスの 人件費割合 (70% / 55% / 45%) によっても単価が変わります。
- 70%(訪問系): 訪問介護、訪問看護、居宅介護支援 など
- 55%(中間): 通所リハビリ、認知症対応型通所介護 など
- 45%(通所・施設系): 通所介護(デイサービス)、特養 など
たとえば1級地の通所介護なら、1単位 = 10.90円。1級地の訪問介護なら、1単位 = 11.40円。
主要3サービスの単位数 — 令和6年度版
訪問介護(身体介護)
| サービス内容 | 単位 |
|---|---|
| 20分未満 | 163 |
| 20分以上30分未満 | 244 |
| 30分以上1時間未満 | 387 |
| 1時間以上1時間30分未満 | 567 |
通所介護(デイサービス・通常規模型)
| 要介護度 | 7-8時間/回 |
|---|---|
| 要介護1 | 658 |
| 要介護2 | 777 |
| 要介護3 | 900 |
| 要介護4 | 1,023 |
| 要介護5 | 1,148 |
居宅介護支援(ケアマネジャー)
| 区分 | 単位/月 |
|---|---|
| 要介護1〜2 | 1,086 |
| 要介護3〜5 | 1,411 |
加算と減算の基本
基本単位に加えて、サービス品質や提供体制に応じた 加算 が加わったり、運営基準を満たさない場合の 減算 が引かれたりします。
主な加算の例(令和6年度):
- 処遇改善加算(Ⅰ): +24.5%(訪問介護の場合)
- 特定事業所加算(Ⅰ): +20%
- 入浴介助加算(Ⅰ): +40単位/日(通所介護)
- 個別機能訓練加算(Ⅰ)イ: +56単位/日
主な減算の例:
- 同一建物減算: -10%(訪問系)
- 高齢者虐待防止措置未実施減算: -1%
加算・減算は事業所ごとに異なるため、実際の介護報酬額を正確に把握するには事業所への確認が必要です。
令和6年改定 + 令和8年6月期中改定のポイント
令和6年度改定の主な変更点:
- 処遇改善加算の一本化 — 従来の処遇改善・特定処遇改善・ベースアップ等支援加算が「介護職員等処遇改善加算」に統合
- 訪問介護の基本報酬が引き下げ — 2024年4月から1〜2%の減額
- デイサービスの加算項目の見直し — 入浴介助加算の要件強化
- 高齢者虐待防止措置未実施減算の新設 — 2024年4月から1%減算
令和8年6月期中改定の追加変更
- 処遇改善加算の対象拡大 — 介護職員のみ → 介護従事者全体(看護師・ケアマネ・事務員等も対象)
- 新区分Ⅰロ・Ⅱロの新設 — 生産性向上・協働化に取り組む事業所向けの上乗せ区分
- 訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援が新たに処遇改善加算の対象 — 居宅介護支援は2.1%
- 加算率引き上げ — 例: 訪問介護(Ⅰ)24.5%→Ⅰイ27.0%/Ⅰロ28.7% / 通所介護(Ⅰ)9.2%→Ⅰイ10.4%/Ⅰロ12.0%
- 食費基準費用額の引き上げ — 1,445円→1,545円(令和8年8月施行)
期中改定は処遇改善に特化したものであり、基本単位数・支給限度額・地域区分単価には変更ありません。
計算ツールで一発計算
すべての単位数・地域区分・加算減算を考慮した正確な計算は手動では大変です。当サイトでは無料で計算できる介護報酬 単位計算機をご用意しています。
訪問介護・通所介護・居宅介護支援の3サービスに対応、80市区町村の地域区分自動反映、主要な加算減算もチェック1つで反映できます。
まとめ
- 介護報酬 = 単位数 × 1単位の単価 × 自己負担割合
- 1単位は10〜11.40円(地域とサービスで変動)
- 単位数はサービス種別・要介護度・利用時間で決まる
- 加算・減算で実際の金額が変動する
- 基本単位数は令和6年度改定、加算率は令和8年6月期中改定が最新
正確な見積もりは所属事業所または市町村にご確認ください。
FAQ
Q. 介護報酬の計算は誰がするの? A. 通常は事業所の事務員が請求業務の中で行います。家族側は「自己負担分」だけを把握すれば十分です。
Q. 1単位の単価はどこで確認できる? A. 厚生労働省の介護報酬告示で確認できます。当サイトの計算機では地域を選ぶと自動反映されます。
Q. なぜ単位制なの? A. 地域ごとに人件費が異なるため、全国一律の円表示ではなく「単位」という中間単位を使って、地域に応じた単価で円換算する仕組みになっています。
Q. 計算ツールは無料? A. はい、完全無料・登録不要でご利用いただけます。
よくあるご質問
介護報酬の計算は誰がするの?
通常は事業所の事務員が請求業務の中で行います。家族側は「自己負担分」だけを把握すれば十分です。
1単位の単価はどこで確認できる?
厚生労働省の介護報酬告示で確認できます。当サイトの計算機では地域を選ぶと自動反映されます。
なぜ単位制なの?
地域ごとに人件費が異なるため、全国一律の円表示ではなく「単位」という中間単位を使って、地域に応じた単価で円換算する仕組みになっています。
計算ツールは無料?
はい、完全無料・登録不要でご利用いただけます。