外国人採用の費用・ビザ手続き完全ガイド【技術・人文・国際業務ビザ vs 特定技能】
最終更新: 2025年5月 | 読了時間: 約9分
この記事でわかること
- ✓ 就労可能な在留資格(ビザ)の種類と特徴
- ✓ 技術・人文知識・国際業務ビザの採用費用内訳(海外・国内在留者別)
- ✓ 特定技能との違い・どちらが向いているか
- ✓ 申請に必要な書類と審査期間
- ✓ 外国人採用の法的義務と注意点
- ✓ 無料ツールで総費用を今すぐ試算
外国人採用できるビザの種類(就労可能な在留資格)
外国人を採用する際は、本人が就労可能な在留資格(ビザ)を持っているか、または新たに取得する必要があります。主な就労ビザは以下の4種類です。
| 在留資格 | 対象職種 | 家族帯同 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 技術・人文・国際業務 | IT・経理・営業・通訳・デザイン等 | 可 | 最も一般的。更新制限なし |
| 特定技能(1号) | 製造・農業・飲食・介護など14分野 | 不可 | 通算5年の在留制限あり |
| 特定技能(2号) | 建設・造船など一部分野のみ | 可 | 在留制限なし・無制限更新 |
| 高度専門職 | 研究者・教授・経営者等 | 可 | ポイント制。優遇多数 |
⚠️ 技能実習制度について
技能実習制度は2027年廃止予定で、後継の「育成就労制度」へ移行します。現在新規で技能実習の採用を検討している場合は、特定技能または技術・人文・国際業務ビザへの切り替えを検討してください。
技術・人文知識・国際業務ビザとは?
日本で最も多く活用される就労ビザです。ITエンジニア・経理・営業・通訳・デザイナーなど幅広い職種で活用でき、更新回数に制限がないため長期雇用に向いています。
対象職種・要件
- ・ITエンジニア・システム開発・SE
- ・経理・財務・人事・総務
- ・営業・マーケティング・貿易
- ・通訳・翻訳・語学講師
- ・デザイナー・クリエイター
- 要件:大卒以上 or 実務経験10年以上
ビザの特徴
- ・在留期間:1年/3年/5年(更新制限なし)
- ・転職:同種業務なら資格変更なしで可
- ・家族帯同:配偶者・子は「家族滞在」で来日可
- ・副業:原則不可(資格外活動許可が必要)
- 長期雇用・安定採用に最適
技術・人文ビザの採用費用内訳
採用費用は海外から招へいする場合と国内在留者の在留資格変更で大きく異なります。
海外から招へいする場合(1人あたり)
| 費用項目 | 最小 | 最大 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 海外求人広告費 | 50,000円 | 300,000円 | SNS・人材紹介サイト等 |
| 面接・選考費用 | 100,000円 | 300,000円 | 現地面接渡航費等 |
| 行政書士費用(認定申請) | 80,000円 | 200,000円 | 在留資格認定証明書申請 |
| 政府証明書・認証費用 | 3,000円 | 6,000円 | 国籍により異なる |
| 渡航費(来日) | 50,000円 | 150,000円 | 航空券・荷物輸送 |
| 住居初期費用 | 100,000円 | 300,000円 | 敷金・礼金・家具等 |
| 日本語研修費 | 50,000円 | 200,000円 | 3ヶ月コース目安 |
| 合計初期費用目安 | 約433,000円 | 約1,456,000円 | 研修費含む/1人あたり |
国内在留者の資格変更(留学生等)
年間更新費用(1人あたり)
特定技能との違いは?どちらが向いているか
同じ就労ビザでも、技術・人文・国際業務ビザと特定技能では対象職種・在留条件・費用が大きく異なります。自社の採用ニーズに合ったビザを選択しましょう。
| 比較項目 | 技術・人文・国際業務 | 特定技能1号 |
|---|---|---|
| 対象職種 | 知識・技術系(IT・経理・営業等) | 14特定産業分野(製造・農業・飲食等) |
| 要件 | 大卒以上 or 実務経験10年以上 | 技能試験+日本語試験合格 |
| 在留期間 | 1〜5年(更新制限なし) | 通算5年まで(2号は無制限) |
| 家族帯同 | 配偶者・子は可(家族滞在) | 不可(1号) |
| 転職 | 同種業務なら可 | 同一分野なら可 |
| 初期費用目安 | 30〜145万円/人 | 50〜130万円/人 |
技術・人文・国際業務が向いているケース
- ✅ ITエンジニア・プログラマーを採用したい
- ✅ 事務・経理・人事スタッフが必要
- ✅ 通訳・翻訳・多言語対応スタッフが欲しい
- ✅ 長期的に定住・定着させたい
- ✅ 家族も一緒に来日させたい
特定技能が向いているケース
- ✅ 製造ライン・工場作業員が必要
- ✅ 農業・酪農・食品加工の人手不足
- ✅ 飲食店・ホテル・介護施設のスタッフ
- ✅ 建設・溶接などの技能職
- ✅ 外国人支援機関(登録支援機関)を活用したい
申請に必要な主な書類
在留資格の申請には、会社側と本人側の両方から書類を準備する必要があります。学歴証明書の認証など、時間がかかるものがあるため2〜3ヶ月前から準備を始めましょう。
会社(雇用主)側の書類
- 📄 登記簿謄本(3ヶ月以内)
- 📄 直近2期分の決算書・税務申告書
- 📄 雇用契約書(労働条件通知書)
- 📄 会社概要・事業内容説明書
- 📄 採用理由説明書
本人(外国人)側の書類
- 📄 パスポートコピー
- 📄 学歴証明書・卒業証明書(公証・認証必要)
- 📄 職歴証明書(実務経験10年の場合)
- 📄 証明写真(規格指定)
- 📄 在留カード(国内在留者の場合)
⏰ 審査期間の目安
在留資格認定証明書
2〜3ヶ月
海外からの招へい
在留資格変更許可
1〜2ヶ月
国内在留者の変更
在留期間更新
2週間〜1ヶ月
更新のみ
外国人採用の注意点
⚠️ ハローワーク届出義務(外国人雇用状況の届出)
外国人を雇用した際・退職した際は、ハローワークへの届出が義務です(雇用保険被保険者の場合は雇用保険手続きで兼ねる)。届出を怠ると30万円以下の罰金が科される場合があります。
⚠️ 不法就労の確認責任は雇用主にある
在留資格の確認を怠り、就労不可の外国人を雇用した場合、雇用主も不法就労助長罪に問われます。採用時に必ず在留カードの原本確認と、就労資格証明書または在留カード裏面の資格外活動許可スタンプを確認してください。
📋 在留カードの確認方法
在留カードの「就労制限の有無」欄を確認してください。「就労不可」は原則就労できません(資格外活動許可があれば一部可)。「在留資格に基づく就労活動のみ可」の場合は、在留資格に対応した業務のみ許可されます。
無料ツールで総費用を今すぐ試算
採用人数・招へい方法・行政書士依頼の有無・日本語研修の有無などを入力するだけで、初期費用・年間更新費用・N年間総費用の目安を計算できます。
まとめ:外国人採用の重要ポイント
- ① IT・事務・営業職には「技術・人文・国際業務ビザ」が最適。更新制限なし・家族帯同可
- ② 製造・農業・飲食には「特定技能」が向いているが、家族帯同不可・通算5年の制限あり
- ③ 海外招へいの初期費用は43〜146万円/人。国内在留者変更なら5〜15万円程度
- ④ 在留資格認定証明書の取得まで2〜3ヶ月かかる。入社日から逆算して早めに準備
- ⑤ 採用時の在留カード確認と、雇用・退職時のハローワーク届出は法定義務
- ⑥ 行政書士への依頼を推奨。審査落ちリスクを下げ、書類準備の工数を削減できる
📢 この記事をシェアする